サイトへ戻る

日本人が話すイギリス英語、どの発音を目指す?

· About me,発音

私がなぜイギリス英語を教えるに至ったか、About me シリーズ「イギリス英語は発音でお里が知れる、を初めて知った日」の続きです。

高校の3年間をドイツのブリティッシュスクールで過ごし、日本の大学を卒業してからまたイギリスの大学へ。受験から卒業まで、20代の半ばの4年半をイギリスで過ごしました。

この頃までにはイギリスには地域による方言だけでなく、階級による発音の違いがあることもわかってはいたので、なるべく「階級が上のほうのきれいな発音」を真似るよう心掛けていました。

しかしある時、私はしょせんこの国では外国人だから、どの階級にも属さないわけで、じゃあどんな発音で話しても関係ないんじゃない?と思ったわけです。

ホームステイ先のマダムとのおしゃべりで言語や発音の話になった時に、それを言ってみました。

するとマダムは、
「そうね、そういう考え方もあるけれど、不必要に低い階級の発音で話さなくてもいいんじゃない?
 でもあなたやあなたのご家族には、あなたの国の社会での位置があるでしょう?
 それより低い階級にあたる英語を話すことはないんじゃないかしら?」、と。

これは腑に落ちました。
労働者階級ではない「きれいな発音」で話せたほうが、外国人のあなたにもメリットがありますよ、と教えてくれたのです。

イギリス人は悪気なく、初めて話す相手の発音を聴きながらその人のバックグラウンド、つまり地域と階級の情報をインプットしています。ほんとにこれは無意識レベルと言っていいくらい、全員がしているのです。

仮に相手が自分の階級より上でも下でも、それによって態度があからさまに変わることは(まともな人なら)まずありませんが、「正直なところ、心持ちは若干変わる」とイギリスの親しい友人が打ち明けてくれました。

イギリスに長年住んでいるアジア人の友人は、「店などできれいな発音(RP)で話すと、扱いが変わる」とも言っています。

要は、イギリスでは「社会的にリスペクトされる発音」が存在するのです。
じゃあそれを目指そうじゃないか、と20代で思って、今に至ります。
私が生徒さんたちにお伝えしているのは、そういう発音です。

 

そんなイギリス英語発音の入口は、こちらをどうぞ。